「勉強しなさい!」は逆効果!子どものやる気に火をつけるには?
「勉強しなさい!」と子どもについ言ってしまいませんか?この「勉強しなさい!」という言葉は、実は逆効果なのです。自分が子どものときを思い出してみてください。勉強しようと思っていたときに「勉強しなさい!」といわれて、反発したくなったことありませんか?それはなぜなのか、どのように対処すればよいのか紹介します。
心理的リアクタンスとは
「勉強しなさい!」というとなぜ逆効果で、余計やる気を失わせるのでしょう。それは「自分の行動は自分で選択したい」という、生まれながらの欲求が人間にはあるからです。「勉強しなさい!」と言われることによって、自分の行動に関する選択の自由が奪われたと感じてしまうのです。
このとき自分の自由を回復しようと反発作用が生じます。これは心理学の世界で「心理的リアクタンス」というものです。自分が勉強しようと思っていたときに「勉強しなさい!」と言われ、また言われた通りにしたほうがよいとわかっていても、心理的リアクタンスは発生します。勉強するか、しないかという選択肢がないのが、この「勉強しなさい!」という言葉です。自分で選べないことで強制されていると感じてモチベーションが低下してしまうのです。
強制されるということは信頼されていない、また自分を否定されているようにも感じてしまいます。これには普段の親子のコミュニケーションも影響してきます。会話をする時間があり、親子の間で信頼関係ができていれば、心理的リアクタンスが発生しても反発心はそう強くはならないでしょう。
言われた側の気持ちを考えよう
「勉強しなさい!」と言われた、子どもの気持ちを考えてみましょう。自分が子どものときのことを思い出せば、きっと同じようなことがあったはずです。そのとき「よし勉強しよう!」「勉強をがんばろう!」という気持ちになれたでしょうか?
子どもの自らの勉強しようとする意欲を奪わないようにするには、「勉強しなさい!」ではなく「勉強の調子はどう?」「順調に進んでいる?」などの質問をするほうがよいでしょう。「勉強しなさい!」という言葉より、自分のペースで勉強していることを信頼されていると感じ、子どもは勉強を強制されていると負担に思わないで済みます。
勉強しなさいと言わなくても済む方法
「勉強しなさい!」という言葉は逆効果ですが、言わなければ必ず勉強するということでもありません。何も言われなくても自分から勉強する子どもには前提条件があると考えられます。
1つ目は勉強に対してのネガティブなイメージを持っていないことです。小さいときからのイメージが大切です。しかし、親が子どものころに「勉強しなさい!」と言われて育ち、ネガティブなイメージを持っていれば、子どもはその親からの影響でネガティブなイメージを持ってしまいます。勉強することに興味や関心が持てないまま「しなければならないこと」という思いが強くなってしまえば、自分からすすんで勉強に向き合うようにはならないでしょう。
勉強にネガティブなイメージがある場合は、簡単にイメージに変えることは難しいものです。そのときには、子どもの得意な科目や興味がある部分など、まずはやりたい勉強だけをするようにします。得意な科目や自分の好奇心といった内発的動機から、勉強し自信がつくとやる気が出て他の科目にもよい影響を及ぼします。
前提条件の2つ目は、子どもが勉強しやすいような家庭環境であるかどうかです。1人で集中できるような部屋がある場合は別ですが、そうでない場合は、周りやテレビの音がうるさいなどがあれば、勉強に身が入らないかもしれません。また、すぐ手の届くところにゲームや携帯電話などがあれば、気になってしまうでしょう。
勉強に集中しやすいように家庭環境を整えることも大切です。家族で協力し時間帯を決めて、集中して勉強できる環境にしてあげましょう。もし家庭内で難しい場合は、図書館の自習室で学習をする、学習塾に通っている場合は塾の自習室を利用するなどで対応しましょう。
「勉強しなさい!」という言葉は逆効果になることを解説しました。自分が子どものときのことを思い出しながら、子どもの気持ちになって考えましょう。頭ごなしに注意したり、過剰な子ども扱いをしたりすることなく、自分から「勉強する」という選択ができるようにしてあげることが必要です。「勉強しなさい!」というかわりに、子どもが自分のペースで勉強をしていることを信頼していると伝わる言葉をかけるようにしましょう。