不登校の子どもに親ができること!NG行為と勉強面で考えるべきことを解説
不登校の児童生徒数は年々増加しており、令和3年の調査では全国で24万人以上の不登校がいることが文部科学省の調査結果で明らかになっています。不登校の子どもを持つ親御さんには、どのように子どもと接すればいいのか分からないと悩む方も多くいます。ここでは不登校の子どもに対するNG行為や、勉強面でのアドバイスをご紹介します。
子どもが学校に行きたがらない理由を考えてみる
不登校の理由にはいくつかありますが、もっとも多いのは無気力です。全体のうち2~3割の子どもが無気力を理由として挙げています。無気力の原因は受験後の燃え尽きや、イメージしていた学校生活と違った、頑張っていたけれど糸が切れてしまったなどさまざまです。
次に多い理由は、全体の1割程度を占める遊びや非行です。遊びや非行は家庭環境に問題があることが多く、家庭外に居場所を求めた結果遊びや非行に向かってしまったり、親からの関心を引くために問題行動をおこしたりします。
次に学業不振です。学年があがるにつれて勉強の難易度が上がっていきます。一度つまずくとそこからほとんど授業で何をいっているか理解できなくなることもあります。周りとの差が気になる、理解できないし成績も伸びないからおもしろくないなど、学業不振も不登校の原因となっています。
不登校の子どもにやってはいけないNG行為とは
無気力が原因で不登校になっている子どもに「学校へ行け」と言ったり、保健室登校をさせたりしても本格的な復学は難しいです。
まずはしっかりと休ませて前向きな気持ちを取り戻させましょう。ただ、家にいる間ずっとYouTube動画をみたり、ゲームをしたりして昼夜逆転生活になるという状況は避けましょう。朝日を浴びることで自律神経を整えることができます。食事は家族で一緒にとるなど、生活リズムが崩れないよう気をつけながら心を休ませてあげるとよいでしょう。
非行や遊びに走る子どもはほとんどが親に対する反発心です。よい子でいることに疲れてしまったという子どもも多くいます。この場合、親がしっかりと愛情を示してあげてください。よい子でなくても、成績がよくなくても、元気でいてくれればそのままでもよいと伝えることで状況は少しずつ改善に向かうはずです。
学業不振の子どもの、テストの結果が悪かったことを責める行為は勉強嫌いを助長するNG行為です。つまずいたところから学びなおせるよう学習塾などを活用するとよいでしょう。いずれの場合であっても無理に学校に行かせようとするのは逆効果です。学校に行きたくない理由を聞き出そうとするのもやめましょう。
いじめなどが原因の場合は本人も話したくない、整理ができていないことがあります。本人が自主的に話すまでは根気強く待ちましょう。また、学校に行けた日も大げさに喜ぶのではなく普段通りに接してください。本人が無理をして登校したことを喜ぶと「自分のことを分かってくれない」と子どもとの距離が開く原因になります。
学校に行きたくない!親にできる寄り添い方は?
不登校の子どもに対して大切なのは傾聴です。親の考えを伝えるよりも子どもの気持ちを聞き、共感してあげてください。子どもの悲しい気持ちやモヤモヤした気持ち、嫌な気持ちなど、そのままを受けとめてあげましょう。しっかりと話しをきき理解を示すことで子どもは「気持ちを分かってもらえた」と安心感を得ることができます。
また、親は子どもが不登校になっても「自分の何が悪かったのか」と自分を責める必要はありません。親が不安定になってしまうと子どもは拠り所を失ってしまいます。子どもの心を安定させるために「何があっても大丈夫」とどっしり構えてください。
やはり気になる勉強への影響
学校に通わないとなると勉強面が不安になります。将来的な復学や受験のことを考えると学校に通っていなくても学習塾は利用したほうがよいでしょう。先生や友達との人間関係などで「学校が嫌い」という理由から不登校になっている児童をはじめ、不登校でも塾には通っているという児童は多くいます。
学習塾といっても色々な種類があるのでお子さんと一緒にどこで学ぶか選んでみるとよいでしょう。集団行動が苦手な子どもには個別指導塾がおすすめです。子どもと塾が合うかどうか、体験授業や説明会に参加するとより把握しやすくなります。
まとめ
子どもが不登校になると親はもちろん心配になりますが、親が正しくフォローしてあげれば復学や進学は充分に可能です。大切なのは親が慌てたり、落ち込みすぎたりせず落ち着いていることです。勉強面のフォローも学習塾の活用などでクリアできます。不登校になったからといって焦らず、子どものポテンシャルを信じて寄り添い、親にできるフォローをしっかりとしてあげてください。